流行中の疾患(2023年4月11日現在)

当院では基本的に新型コロナの検査を実施していませんが、新型コロナ感染の流行は続いているようです。当院周辺ではRSウイルス感染症、アデノウィルス感染症などによる発熱患者さんもおられます。胃腸炎の患者さんもおられます。RSウイルスを含むウイルス性感染症には抗生剤は無効です。

 

院内相互感染予防には手を尽くしています。

「院内をウロウロしてあちこち触る」「咳や鼻水がるのにマスクなしで受診する」ことを避けて頂ければ感染リスクは非常に少なくなります。ご留意してください。

・手洗いを励行し、外出の際はマスクを着用するなど、感染防御を心がけてください。

・カゼの予防には手洗い・うがい(水道水でのうがいをお勧めします。当院では基本的にうがい薬の処方を行っておりません。を心掛けてください。また、咳が出るなどの症状が出た場合はマスクを着用するなど咳エチケットを心がけてください。

・家族内に発熱や咳・鼻水などの症状のある方がおられる場合は手洗いを徹底し、タオルや食器の共用を避けてください。家族への感染を最小限に出来ます。小さな子供さんは人ごみへの不要な外出を避け、外出後の手洗い・顔洗い・うがいを励行してください。咳エチケットを再確認してください。

・エンテロウイルス属(コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、エコーウイルスなど)による咽頭炎(のどのカゼ)・手足口病などの流行があります。

症状の出かたでヘルパンギーナ、手足口病、ウイルス性発疹症などと診断されますが、原因ウイルスは共通です。抗生剤は効かず、自然に落ち着くのを待ちます。

 

ウイルス性の胃腸炎(嘔吐や下痢、発熱などの症状。ノロ、ロタ、アデノウイスルなど)の患者さんがおられます。特効薬などはありません。嘔吐を繰り返す場合、すぐに飲食させると症状が悪化します。しばらく嘔吐が無いことを確認してから適切な濃度の塩分を含む水分(OS-1など。薬局などで販売しています。)を少しずつ(ティースプーンやキャップ1杯程度から徐々に増やしながら)こまめに与えるようにしてください。ウイルス性胃腸炎の治療として、中等症の脱水までは経口補水療法が最も適切な治療法です。

 【参考:嘔吐下痢症について】

★血便を伴う下痢が続く場合は、必ず病院を受診してください。

★便でのウイルス検査は偽陰性が多く、ウイルスの種類による治療の違いが無いため★当院では他の重症疾患との鑑別を要する場合などを除き便でのウイルス検査は行いません。

  

 ・水痘(みずぼうそう)も散見されます。ワクチン未接種の方は注意してください。

多くの方は軽症で治りますが、重症化する場合もあります。ワクチンを受けていても罹ってしまう場合がありますが、受けていない方に比べて軽症で終わることが多くなります。

 

・マイコプラズマによる気道炎症(かぜ症状のほか気管支炎や肺炎)は少ないです。

 

・喘息がベースにある場合はウイルス性のカゼ(通常のカゼ)をきっかけにゼーゼーした状態が長引いたり繰り返したりするとが多く、注意が必要です。

 

・カンピロバクター、病原大腸菌、サルモネラ菌などによる細菌性腸炎の方が散見されます。食品への加熱、手洗いなど感染予防に注意してください。

★焼き肉など生のお肉を扱う際には、食べるときに使う箸と焼くときに生肉に触る箸を必ず別々にしてください!!★

★動物に触った後は、必ずしっかりと手洗いをしてください★

 

 ・少数ですが、おたふくかぜ(ムンプス、流行性耳下腺炎)の患者さんがおられました。注意が必要です。ワクチン接種(2回接種)をお勧めします。
 

★水痘やムンプス(おたふく)ワクチンの接種(可能ならどちらも2回接種)を強くお勧めします。恥ずかしいことですが経済的先進国の中で水痘やムンプスが流行するのは日本だけ(ワクチン後進国)です。例えばワクチン未接種でムンプスを発症すると、数百人から千人に一人の割合でムンプス難聴(多くは片側だけですが耳が聞こえなくなり、治りません)になります。水痘に罹患すると、将来帯状疱疹を発症する可能性が高くなります。

予防接種について
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★髄膜炎菌ワクチンは電話にてご予約下さい。取り寄せに時間がかかります。