【胃腸炎(嘔吐下痢症、はいたりげりをしたり)について】


以下、参考にしてください。当院院長の見解です。

【嘔吐(おうと)について】ウイルス感染などによる胃腸の不調で、入っている(入ってくる)飲食物を処理できないため嘔吐(はく)反射が起こります。嘔吐反射が軽くなる前に水分や食べ物を経口摂取すると、口にしたもの以上に嘔吐し、ますます吐き易くなるため脱水が進んでしまいます。人間の体は中等度以下の脱水には耐えられるようにできていますので、嘔吐を繰り返しているときは慌てて水分や食べ物を摂らないようにして嘔吐反射が軽減するのを待つ必要があります。

 

★最後の嘔吐がおさまってから少し時間(最短30分、できれば1時間以上)をおいて、吸収の良い水分(OS-1などの経口補水液、味噌汁のうわずみなど、乳児なら母乳やミルク)を少量ずつ(ペットボトルのキャップ一杯、スプーン1杯程度の量から)、はじめは10~15分の間隔で与え、嘔気が出ないようなら3~5分ごとにこまめに飲ませてください。嘔吐が再発しなければ徐々に量を増やし、少しずつ食べさせるようにしてください。

 

★胃腸炎の場合、塩分濃度の低い水やお茶、湯冷まし、通常のスポーツドリンク(ポカリなど)は腸からの吸収が悪いため、少量ずつ飲んでも吸収されず胃腸に溜まっていきます。その結果、処理できないものに対する防御反応として嘔吐が誘発されます。代表的なスポーツドリンクを作っている会社でも脱水防止用に塩分濃度を高めた専用の経口飲料を作っていますOS-1など)。

 

簡単な経口補水液の作り方:①水 1リットル、②塩 3g(小さじ1/2)、③砂糖 18~40g(大さじ2と1/4~4と1/2、この範囲であれば好みで調節してください)。①~③をよく混ぜます。少量のレモン果汁(レモン1/4個程度)やリンゴ果汁(100%果汁で大さじ1杯程度)などを加えると飲みやすくなりますが、多すぎると糖分が多くなりすぎ、吸収が悪くなるため香りが付く程度にしてください。

 

★ノロやロタ、アデノなどのウイルス性腸炎の場合、食べられるようになり下痢が改善して元気が出れば、保育園・幼稚園・学校などに登園・登校することは可能です。ただし、ノロウイルス以外のウイルス性胃腸炎も発症後、2週間以上ウイルスが排出されることが多いため、症状が改善してから2週間程度、便の処理(おむつの処理)には手袋を使うなどの配慮が必要となります。

 

【保育園や幼稚園などから便の検査をしてもらうように言われた場合】原因ウイルス(ノロでもロタでもアデノやほかのウイルスでも)の種類を問わず、嘔吐や下痢症状のある場合、周囲への感染を避けるため登園登校はできません。また、症状が改善しても便中の原因ウイルスが完全に消失するには数週間かかりますので、症状が改善している患者さんを休ませることは実際的ではありません。したがって、重篤な基礎疾患がある方やほかの重大な疾患との鑑別が必要な患者さん以外の便でノロやロタなどのウイルスを調べる臨床的意味はあまり有りません。当院では便のウイルスチェックは基本的に行っておりません。症状改善後の2週間程度はおむつの取り扱いに気を付けてください。・・・と施設にお伝えください。

 

予防接種について
予防接種について

★髄膜炎菌ワクチンは電話にてご予約下さい。取り寄せに時間がかかります。