ここで記載する内容は、すずらん小児科としてのご案内です。小児診療や予防接種に対する考え方など、他院と異なる場合がありますので、ご了承ください。必ず、受診予定の医療機関で診療内容などをご確認の上で受診してください。
★札幌市ではヒブ・肺炎球菌(生後2カ月から4歳まで)が無料化されています。ヒブと肺炎球菌は四種混合(DPT-IPV)、麻疹・風疹(MR) 、B型肝炎ワクチンなどとの同時接種をお勧めしています。生後2カ月でヒブ・肺炎球菌・B型肝炎および四種混合ワクチンを同時接種し、その後接種を進めていくスケジュールをお勧めしています。
★ロタワクチンを行っております。初回投与は生後6週~14週6日まで、2回目は初回接種から4週以上あけて生後24週までに終了する必要があります。このため、初回接種は生後2か月の肺炎球菌、ヒブなどと同時に接種することお勧めします。
★肺炎球菌、ヒブ、四種・二種混合ワクチン、麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)、みずぼうそう(水痘)、日本脳炎、B型肝炎、おたふく(一部助成)などの定期接種ワクチンのほか、定期接種の時期を過ぎた場合などの任意のワクチン接種を受け付けております。
【肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンについて】
四種混合定期接種や麻疹風疹混合ワクチン等との同時接種が可能です。
肺炎球菌(はいえんきゅうきん)はヒブ(Hib:ヘモフィルスインフルエンザb型桿菌)とともに小児の細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)の主要な原因菌です。小児の細菌性髄膜炎では約60%がヒブ、約30%が肺炎球菌によって引き起こされます。細菌性髄膜炎は死亡率が高く重篤な後遺症が残ることの多い病気です。また、肺炎球菌やヒブは髄膜炎以外にも急性喉頭蓋炎(ノドの奥が詰まって呼吸困難になる病気)、肺炎、中耳炎、敗血症など子供の重篤な病気の原因となることの多い菌です。(肺炎球菌について:公認リンク)
肺炎球菌もヒブもワクチンによって病気の発症または重症化を予防することが出来ます。日本以外の国では20世紀の末からどちらも公的予防接種となっているワクチンですが、日本では2008年末にやっとヒブワクチン(アクトヒブ)の接種が認められ、小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)も接種可能になりました。
肺炎球菌には80種類以上のタイプがありますが、小児に感染症を起こしやすい13種類をまとめてワクチンを作成(PCV13)し、小児でも免疫が付きやすくしたものがプレべナーです。
ヒブワクチンとともに定期接種の四種(不活化ポリオ、百日咳ジフテリア破傷風ワクチン)または麻疹風疹ワクチンと同時接種(同じ日に両腕や両足に接種します)が可能です。
尚、プレべナー(肺炎球菌ワクチン)承認時の副反応報告では注射部位が赤くなったり、硬く腫れたりする注射部位局所の副反応が60-80%に認められ、局所の副反応が強いワクチンです。また、接種後20%前後に37.5℃以上の発熱が認められます。局所症状と発熱はどちらも数日で自然軽快します。その他の副反応は他のワクチンと同程度で重篤な特異的副反応の報告はありません。
肺炎球菌ワクチン(プレベナー)の接種開始時期による接種スケジュール
ヒブワクチン(アクトヒブ)の接種開始時期による接種スケジュール
【その他のワクチンについて】
①悲しいことに日本ではムンプス(おたふくカゼ)や水痘(水ぼうそう)が流行します。水痘やムンプスはワクチンで予防すべき病気ですが、予防接種に対する行政と社会の認識が世界でも有数の後進国である日本ではムンプス未だに一部自己負担で、水痘もようやく定期接種化(2歳まで)されたばかりです。水痘やムンプスが流行すればワクチンを接種していても罹ってしまう人がいますが、多くの場合軽症ですみます。当院ではご家族のワクチン接種も行なっておりますのでご相談下さい。
②改良型日本脳炎ワクチンの接種を実施しています。
厚生労働省の日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A(ここをクリック)をお読みいただき、納得された方のみ受付までお申し込み下さい。ちなみに、国立感染症研究所の集計では北海度でもブタの日本脳炎感染症が確認されています。